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【関西の力】穴太衆(1)世界が驚き信長も惚れた堅固な石垣 一見崩れそうで崩れない自然石のパズル 

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 伝統や文化、医学、農業、エンターテインメント、スポーツ…。関西には世界に誇れる魅力あるコンテンツがあふれている。現状の停滞を打破し、突破できる「力」とは何か。まずは「伝統の力」を探る。

米国ポートランド日本庭園での石積み作業の様子(Bruce Forater氏提供)
米国ポートランド日本庭園での石積み作業の様子(Bruce Forater氏提供)

海を渡った400年の技

 大津市中部にある坂本地区は、町のあちこちに石垣が連なる比叡山延暦寺の門前町だ。人口1万人ほどの地区にいま、世界の注目が集まっている。石垣築造の引き合いが海外から相次いでいるという。

 オファーを受けているのは地元の粟田建設。従業員はわずか3人だが、同社は戦国時代から日本の数多くの城で石垣を築いてきた石工集団「穴太衆(あのうしゅう)」の系譜を唯一受け継いでいる。穴太は坂本にある地名。社長の粟田純徳(すみのり)さん(47)は15代目頭(かしら)にあたる。

 すでに今春、米オレゴン州ポートランドの日本庭園改修工事で高さ7メートル、総延長幅50メートルの石垣を完成させた。約400年の穴太衆の歴史で初の海外受注物件だ。さらに米国・ダラスの新築ビルを取り囲む石垣の建設など、オファーは次々と舞い込んでいる。

 明治期以降、コンクリート技術が普及し、風前のともしびだった伝統の力。海の向こう側からの思わぬ風に、粟田さんは手応えを感じている。

 「海外には商機がある」

「米国人に穴太衆積みを教えてほしい」

 始まりは7年前にさかのぼる。平成21年夏、粟田さんのもとを突然、1人の米国人男性が訪れた。

 「穴太衆積みを見せてほしい」

 男性は、米国の石工組合に所属する技術者だった。世界の石積み工法を講習会で紹介する業務を担当しており、各国の技術を調べるうちに穴太衆積みにたどり着いたのだという。男性は通訳を介し、こう続けた。

 「ロサンゼルスで講習会を開き、米国人に穴太衆積みを教えてほしい」

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