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【関西の議論】琵琶湖から天然ガス、戦中戦後に湧出の記録…近畿の水がめは天然資源の宝庫だった

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 木津さんも聞いたことのない話だった。「(絵巻物は)先人からの贈り物。知られざる歴史の一面にスポットを当てたい」。記載された事実を確かめようと、裏付け調査を始めた。

現場行ってみるか?

 まず工場があったという草津市に問い合わせたが、市の資料には天然ガスが採掘されていたとの記録は残っておらず、真偽は不明。そこで現場を歩き、手がかりを探したが、何せ70年以上前の話。従業員らの手がかりもほとんどない。懸命につてを頼って調べるうち、当時を知る草津市北山田町の久保進さん(84)に行き着いた。

 工場から見た対岸の比叡山を描いた絵巻物の絵を見せると、「ああ、あの工場か」と久保さん。確かに工場はあり、小学校の課外授業で見学に行ったという。そこでは、コポコポと田んぼから湧き出す気体をボンベにつめ、船で出してた。「田んぼしかなかった場所に、すごい会社ができて驚いた。当時の現場に行ってみるか?」

 久保さんに案内された場所は、琵琶湖岸の同市北山田町の浄水場近く。現場を見たとたん、この場所で間違いないと確信した。対岸に見える比叡山の風景が、まさに絵のままだった。

 さらに近くの聞き込みで、天然ガス工場の横にあった電球製作工場で働いていた横江禎子さん(82)に出会った。

 絵巻物を見せると「まぁ、懐かしい」。横江さんによると当時、この一体は田んぼしかなかったが、その田んぼの至る所からガスが湧いていた。農家が農作業をするかたわらで、「エンコ」と呼ぶ鐘のような形のガス収集装置が田んぼに置かれ、竹でつくったパイプで工場に運ばれていた。「子供たちは工場やエンコの回りで遊んでいた。もう忘れ去られたもんやと思ってから面白いな」

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