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【夕焼けエッセー】天晴れ、豆苗君

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 初めて豆苗(とうみょう)(野菜)君に出会ったのは、今年の冬のことである。正確には、2~3年前からだろうか、スーパーではお目にかかっていた。野菜が高騰の折、価格は安定しているし、何より安価である。鍋物で食べようと購入した。

 包装袋を開け豆苗君を出すと、根っ子と豆が絡まっている。袋には何やら書いてある。よく読んでみると、根っ子から1cm位の所で切り取った後、根を水に浸しておくと、二度食することが出来るらしい。これは楽しみだ。

 早速食品トレーに水を入れ根っ子を置き、台所のすみに置いた。3~4日もすると葉が伸び出した。それを見て主人が陽を当てればどうかというので、外に出し日光浴だ。夕方には家に入れ、毎日水を替えた。そんなことを繰り返しているうちに、遠い昔のような、いや、ついこの間のような子育てが思い出された。毎日のように、顔色を見ては、今日は元気そう、今日は何か調子が悪そう、と安心したり、心配したりの日々だった。今では何かと親のことを思いやってくれる、やさしい息子に成長してくれた。豆苗君は、たった十日程の世話だったが楽しい思いをさせてもらった。ありがとう。

 いよいよ食する日がきた。ハサミを入れるのはかわいそうな気がしたが、豆苗君も食べられて本望だろうと思うことにした。あのシャキシャキ感の他に、ほのぼのとした味わいを感じた。ごちそうさま。

 まだ経験されたことのない方は、是非一度お試しあれ!

杉本 智恵子(73) 三重県名張市 

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