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【浪速風】「花のいのちはみじかくて」アジサイの季節に林芙美子をしのぶ(6月26日)

林芙美子像にアジサイの花を供える「あじさいき」の参加者=広島県尾道市
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 クイズのようだが、「あじさいき」(6月28日)と「あじさい忌」(7月17日)が誰の命日かご存じだろうか。前者は「放浪記」で知られる作家の林芙美子、後者は昭和を代表する大スター、石原裕次郎である。「太陽の季節」でデビューした裕ちゃんは、意外にも雨男で、好きな花だったそうだ。

 ▼芙美子の生涯はアジサイの花のように、複雑に色を変えた。貧しい生い立ちで、女学校を卒業後に恋人を頼って上京し、銭湯の下足番や女工、派出婦、カフェの女給など生きるために職業を転々とした。日記が「放浪記」の原型になった。従軍作家として戦地に赴き、そのため戦後、「戦争協力者」のレッテルを貼られた。

 ▼人気作家になったが、弁明せずに文学に打ち込み、「晩菊」「浮雲」など抒情と哀愁をたたえた名作を次々に発表した。昭和26年に47歳で急逝した。「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」。色紙を頼まれると、決まってこの歌を書いた。

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