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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】タイミングを見極める

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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】
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プロ初勝利を挙げ、お立ち台でウイニングボールを手に笑顔の阪神・才木=甲子園 プロ初勝利を挙げ、お立ち台でウイニングボールを手に笑顔の阪神・才木=甲子園

 阪神の2年目右腕、才木(さいき)浩人が5月20日の中日戦でプロ初先発した。松坂大輔と投げ合ったが「この投球ではきつい」と感じた。緊張からか、ボールに勢いがない。案の定、5回12安打5失点で負け投手となった。だから、同月27日の巨人戦で再び先発させると聞いたときには、「負け覚悟か」とすら思った。

 だが、見違えた。先頭打者に2、3球投げたのを見て、潜在能力の高さを感じた。直球に勢いがあり、変化球も効果的。6回2安打無失点でプロ初勝利を挙げた。経験の少ない投手だから無理をさせず、95球で降板させたのも良かった。

 実は、投手の調子は後ろで守っている味方の野手からみても、よく分かるもの。現役時代、僕は外野手だったが、投球練習の様子を見て「きょうはやられるな」と思うと、だいたい打ち込まれた。体の切れやボールの勢いが好調時と違うからだ。ただ守るだけでなく、こうした「見る目」も養っておくといい。

 シーズンは長い。監督は選手の個性や特徴をよく考え、百パーセントの力を引き出す方策を考えないといけない。そのために、日頃から選手とコミュニケーションを取る必要がある。トップダウンの押しつけ型の監督もいるが、僕の考えは違う。監督だからといって偉いわけではない。用具係や打撃投手と同じく、職場の一つの役割を担っているだけなのだ。

(野球評論家)

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