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【関西の議論】「この器で酒を飲むと味がまろやか」には理由があった…匠の技を科学で解き明かす

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 そこで黒田氏らが鍛造品と、一般に流通する鋳造品のコテを科学的に分析し比較したところ、表面の構造に違いがあるらしいことが分かってきた。黒田氏は「鍛造を通じてコテ表面に生じた磁気分布が水分子に作用して流動性を向上させている」とする仮説を提唱している。

「2つの味がある」。窯元に寄せられた感想

 「味わい」という感覚的な部分にも、科学のメスが入った。

 「ここの窯でつくられた器はお酒がマイルドな味わいになるものと、味の渋みが増し、飲み応えがあるものの両方があって不思議」

 大津市木戸の窯元「日ノ出窯」では数年前から、ぐい飲み(やや大きめの杯)を購入した客からこんな感想が寄せられるようになった。中には「もうこの器以外は使えない」という声も。

 「なぜそう感じてもらえるのか、理由は分からなかった」。経営者の岩崎政雄さん(68)は不思議に感じていたが、あるとき、知人を通じて黒田氏らの活動を知り、興味半分で器の解析を依頼した。

決め手は「ぬれ性」

 黒田氏らが着目したのは、ぐい飲みに酒など液体を注いだ際に器と液体の接触面で起きる現象だ。

 「マイルド」と感想が寄せられたぐい飲みにワインを注ぐと、器と液体の接触面がよくなじみ、液体が器に吸着しているかのように見えた。

 固体の親水性を示す「ぬれ性」が違うのでは-。こう仮説をたてて検証することにした。「ぬれがいい」とは固体が水をあまりはじかない状態、「ぬれが悪い」とは水をよくはじく状態をいう。

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