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【私の時間 シネマ】是枝裕和監督 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞 「見えない人々」照らす

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 そんな社会の片隅で生きる“見えない人々”を慈しむ視点は普遍的なものであり、世界の映画人の胸を打つ。

 そしてもうひとつの理由が、是枝作品に通底する、ドキュメンタリーの視点だ。是枝監督はもともと、テレビの演出家としてドキュメンタリーを制作していた。映画監督としてデビュー後も、「劇映画にドキュメンタリーの視点は欠かせない」と、並行してドキュメンタリー番組を制作し続けた。昨年、ベネチア国際映画祭に出品された「三度目の殺人」は冤罪(えんざい)などに斬り込んだ法廷劇だが、「着想は約20年前にドキュメンタリーで取材した大学病院の医療過誤事件」と話していた。

 “見えない人々”を慈しむまなざしと、社会に斬り込むドキュメンタリストの鋭い視点。この両方を併せ持つ是枝作品が、カンヌを始め世界の映画人をひきつけてやまない。

 「あと20年は映画を撮る勇気をもらった」。是枝監督の言葉はカンヌで上がる“のろし”のように聞こえた。

 (戸津井康之)

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