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【私の時間 シネマ】是枝裕和監督 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞 「見えない人々」照らす

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【私の時間 シネマ】
是枝裕和監督 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞 「見えない人々」照らす

フランス・カンヌで開催された第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞し、トロフィーを手に笑顔を見せる是枝裕和監督=19日(UPI=共同) フランス・カンヌで開催された第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞し、トロフィーを手に笑顔を見せる是枝裕和監督=19日(UPI=共同)

 「ベネチアで発見してもらい、カンヌで育ててもらった」。19日(日本時間20日)、カンヌ国際映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞のパルムドールを受賞した。受賞直後の言葉が、世界に認められた日本人監督が歩んだ軌跡を物語る。

 ベネチア、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭の一つ。71回の伝統を持ち、今年のコンペ部門では仏の巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督、韓国の重鎮イ・チャンドン監督らの21作が集ったが、カンヌでの7回の経験を積んだ結果、是枝作品がその頂点にたどり着いた。

 現在、彼ほど欧州で絶大な人気を誇る日本人監督はいない。その理由の一つには、何度も受賞を逃しながらもあきらめず、カンヌ、ベネチアなど映画発祥とされる国際舞台の映画祭に挑み続けたことがある。だが大きな理由は、今回、審査員長を務めたハリウッド女優、ケイト・ブランシェットの言葉が端的に表している。

 「今回のテーマは“invisible people”(見えない人々)」。

 「万引き家族」の主題はまさに社会の底辺で人知れず暮らす家族の人生。着想は、高齢の父が死亡した後も年金を不正に受給し、生活費に充てていた家族が逮捕されたという新聞記事から得た。

 これまでにも“見えない人々”を描いている。母に捨てられ、都会の片隅で生きていく4人の幼いきょうだいを描いた「誰も知らない」。2004年、同映画祭で主演の柳楽優弥(やぎら・ゆうや)が男優賞を受賞した。母親が幼い子供をマンションに残し、餓死させて逮捕されたという新聞記事から着想されている。

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