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【正木利和のスポカル】写真の“ノイズ”を「考えるアート」に昇華させた澤田華への期待

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 「ほんとうは写真って前から興味のあるメディアだったんです。網点(あみてん)の集積で奥行きのあるものになるのが不思議でおもしろいから」

 2016年に同大学大学院芸術研究科博士前期課程を修了。昨年、「群馬・青年ビエンナーレ」入選、「第40回写真新世紀」で優秀賞を受賞するなど一躍、脚光を浴びた。

 なかでも、写真の不鮮明な細部を起点に分析・検証を繰り返しながらイメージの誤読を重ねることで「写されたもの」の認識を問う最近の「ラリーの身振り」シリーズは、高い評価を受けている。

■   ■

 その「ラリーの身振り」シリーズには、実は「過去」の事実である写真をもとに「現在」の問いかけを行い、その答えを保留することで、検証を「未来」につないでゆく、という構造が隠されている。

 澤田はいう。

 「写真を違うメディアに落とすとき、いろんな変化をさせるとき、それが確定していく感じになるんです。だから、それが何かわかっていくような気にもなるけれど、一方で思い込みにもつながる」「たとえばデッサンにしても自分が情報を足しているんです。あるいは偏見をあてはめている」「そこに怖さを感じます」

 事実の重みを重視し予断を排すために、彼女はあえてジャッジメントを避けているというのである。

 「いまの社会、何でもすぐに黒白をつけたがるじゃないですか。それが、やだなあと思うんです。たとえば両方が答えってこともありうるんじゃないか。無理にひとつにする必要はないのでは、と思うんです」

 じっと見ていると、彼女の作品から現代の若者たちの静かな不安の声が聞こえてくるような気もする。

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