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【理研が語る】物の科学と事の科学

生命は代謝の流れに浮かんでいる
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 ショウジョウバエなどの昆虫でも、わたしたち哺乳類でも、目の形成に共通して働く遺伝子がある。実際にショウジョウバエの目を誘導する遺伝子は、マウスでもきちんと働いて正常な目を形成することができるのだ。驚くべき不変性だとは思わないか。しかし、考えてみれば人工物でも、使い回しのきくものはたくさんある。生物にしろ無生物にしろ、物としての不変性があって、部品の取り換えがきくのだ。自然科学の大部分はその変わらない物の発見に費やされてきた。

 自然界にはもう一つ違った切り口の不変性がある。

 ロンドンにあるミレニアムブリッジが大きな揺れで閉鎖になったことがある。この原因の一つが、人の歩行のリズムの引き込みだった。コンサート会場の満場の拍手が、ひとりでにそろってリズムを刻む瞬間を経験された方がいるだろう。耳で聞いた大勢の拍手の音が、手の動きに影響して起こした引き込み現象だ。ちょうどあれと同じように、人の歩くリズムが、つり橋を通して互いに引き込んだのだ。そのことは有名な科学雑誌「Nature」の論文にもなった。

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