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【依存~家族のかたち(4)】介護に伴う転職や離職 年間10万人に 「介護疲れ」の連鎖を表す数字

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【依存~家族のかたち(4)】
介護に伴う転職や離職 年間10万人に 「介護疲れ」の連鎖を表す数字

認知症の母(左)を介護する栗原弘さん。妄想か現実か妄想か分からない会話の中でも、時より笑顔を見せる姿に親子の絆を感じるという=大阪市大正区(前川康二撮影) 認知症の母(左)を介護する栗原弘さん。妄想か現実か妄想か分からない会話の中でも、時より笑顔を見せる姿に親子の絆を感じるという=大阪市大正区(前川康二撮影)

 栗原もいまの生活がいずれ破綻を迎えるのは分かってはいる。しかし「先のことは考えないようにしている」と言い、こう続けた。

 「親の面倒を見るのは当たり前のことでしょう。理由なんてありませんよ」

自らの身勝手さ悔い、「母の面倒みる」

 大阪市浪速区の下町で生まれ育った栗原の両親は出版会社を経営していた。ただ、栗原自身は高校を卒業後、公務員を目指したが試験に失敗。民間の会社に就職しても長続きせず、30歳前後で勤めた文具メーカーもささいな理由で辞めた。「ふらふらするなら出ていけ」。父の言葉で簡単に実家を逃げ出した。

 建築現場の日雇いや飲食店で働きながら、手にした金で毎日遊び歩いた。1度結婚もしたが、3年足らずで離婚。気ままな暮らしは10年に及んだ。しかし、40歳を過ぎたころ、実家に電話し、父が他界したことを知った。「お父さんはずっと帰ってくるのを待っていたのよ」。母の言葉に自分の身勝手さを悔いた。栗原が「母の面倒は見る」と誓い、転職して自宅での介護にこだわるのはそのためだ。

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