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【依存~家族のかたち(4)】介護に伴う転職や離職 年間10万人に 「介護疲れ」の連鎖を表す数字

認知症の母(左)を介護する栗原弘さん。妄想か現実か妄想か分からない会話の中でも、時より笑顔を見せる姿に親子の絆を感じるという=大阪市大正区(前川康二撮影)
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 「共倒れ」。認知症の母(86)の介護を自宅で続けるため、日中の仕事を辞め転職を余儀なくされた大阪市大正区の栗原弘(63)は、最近、この言葉が頭をよぎる。家族介護をめぐっては、その人間関係に囚(とら)われるケースも少なくなく、それが介護する側とされる側が共倒れすることにもつながっているという。

「先のことは考えない」 日中の仕事を辞め、夜間の警備の仕事に転職 

 今年に入り、母は会話がほとんどままならなくなるほど症状が悪化した。歩くことは困難だが、自分が疲れからうとうとしている隙に家を飛び出し、救急搬送されたこともあった。

 3年前に認知症の症状が出始めて以降、栗原は日中の仕事をあきらめ、母が眠る夜間の警備の仕事に転職した。親子2人が食べていくのには十分だが、収入は半分近くまで減った。

 厚生労働省の平成28年の調査によると、「身の回りの世話に何らかの介助が必要」とされる要介護認定1の人のうち、介護が半日以上必要な人は23%に上る。

 時間的な拘束から、家族による自宅での介護を希望し、仕事を辞め介護に専念したり、転職したりする人は少なくない。24年の総務省の調査では介護や看護を理由に転職・離職した人は1年間で10万人に上る。仕事と介護の両立が難しいことを理由に挙げる人は約6割いたが、介護に専念したいとする人も約2割いた。

 だが、「年間10万人」は家族の絆を示すとともに、家族の介護は「当然」で、それ以外のことを考えるのをやめ、介護疲れなどの泥沼に陥っていく「家族の関係」を表す数字でもある。

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