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【夕焼けエッセー】最近一番うれしかったこと

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 今日、今年に入って初めて半袖一枚で外を歩いた。これが最近、私が一番うれしかったことである。

 私は冬が嫌いだ。冬というか寒いのが嫌い。家から出たくなくなるし、何もしたくなくなる。

 今朝、天気予報を見てみると、なんと最高気温は26℃。思い切って半袖一枚で家を出てみた。

 直接肌に触れる風、腕を締めつけるものがないという解放感。やっぱり半袖は良い。袖が短くなった、それだけで何も隠さず体も心も解放したような気分になる。誰よりも早く、夏を先取りできた気がした。

 日陰に入るとやっぱりまだちょっとひんやりする。でも、それも気持ちがよかった。このままちょっと走って、もっと風に当たりたい、とさえ思えた。

 大学に入って、ずっと何かに縛られている気がしていた。「大学に入ると、自由な時間が増える」と、誰かはそう言ったのに、これっぽちもそう思えなかった。レポートに部活、いろんなものが私を締めつけるから。

 高校のときの自分とは違う、何事も自分でちゃんとしないと。そういう思いが、自分で自分を締めつけていた。でも、それが良い方向に向くことも一切なかった。成績も、部活の技術も一向に伸びなかった。

 あと2カ月で、私も二十歳になる。社会から縛られ、ときに自分自身をも締めつけざるを得ない、そんな機会も増えてくる。そんなときこそ、私は半袖一枚で外を走りたい。自分を縛りつけるものを全部取り払って。周りの視線なんて気にしないで。一日一日楽しく生きたい。

 今年初めての半袖。とても些(さ)細(さい)なことだけど、今週も乗り越えられそうな気がする。

寺下 咲貴(19) 大学生 大阪府和泉市

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