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【西論】認知症事故リスク 救済制度創設、国は重い腰上げよ

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【西論】
認知症事故リスク 救済制度創設、国は重い腰上げよ

スターバックスの店舗内で行われている認知症カフェ「Dカフェ」=東京都町田市(スターバックス提供) スターバックスの店舗内で行われている認知症カフェ「Dカフェ」=東京都町田市(スターバックス提供)

 神戸市のように事故の被害者まで救済はできないが、担当者は「まずは認知症患者本人と家族の不安解消に力を入れる」と話す。人口約150万人の神戸市と比べ、約25万人の大和市の財源には限りがあり、救済対象を患者側に限定せざるを得なかったのは仕方がない。

 神戸、大和、大府の3市を参考にして、名古屋市では今年度中に有識者会議を立ち上げ、救済制度創設に向けて議論をスタートさせる。内容に一長一短があるとはいえ、公的な救済制度をいち早く導入した3市への関心は高く、大和市では3月末までに全国の自治体などから約90件の問い合わせがあったという。だが、認知症専門医で神戸大大学院の古和(こわ)久朋教授は「居住地と事故発生場所で自治体が異なるケースなどを考えれば、一自治体が対応できる範囲は限られる。根本的には国が対処すべき課題だ」と指摘する。

 厚労省は昨年3月、全国の福祉担当者を集めた会合で「現段階で公的な救済制度導入は困難だ」として民間保険の活用を勧める方針を示した。国が交付金や補助金などで自治体の取り組みを後方支援するのも一つの手だと思うが、厚労省の担当者は「認知症患者による事故だけをセーフティーネットの対象にするのは、まだ議論の余地がある」と消極的だ。

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