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【安全という使命(下)】「監視役」の運輸安全委員会、のぞみ台車亀裂問題で存在感示せず 

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 新幹線のぞみ34号の台車に破断寸前の亀裂が見つかる問題が起きて約2カ月半後の2月28日。JR西日本と台車を製造した川崎重工業がそれぞれ記者会見し、川重社長の金花芳則(かなはな・よしのり)(64)は「多大なるご迷惑とご心配をかけた」と頭を下げた。

 事故原因の可能性にまで触れた会見に、JR西の対応を検証した有識者会議座長で、関西大教授の安部誠治(65)は強い違和感を覚えた。台車亀裂を事故につながりかねない「重大インシデント」と認定し、原因を調査している国の運輸安全委員会が行う発表ではなかったからだ。

 一般に、事故やトラブルの当事者は自らに都合の悪い事実を隠す可能性があるとされる。だから公正中立な立場の第三者が、加害者、被害者などから事実を吸い上げ、客観的な視点で解釈し、原因を分析する。

 両社の会見では、川重が台車の鋼材を削りすぎたため強度に問題が生じた可能性があると明らかにされたが、それはあくまでミスを犯した側による見解だ。

 安部の抱いた違和感は、素早く、主導的に動かない運輸安全委へのもどかしさでもある。ただ、運輸安全委トップの委員長、中橋和博は、今月24日の定例会見でも「すでにさまざまな情報がメーカーや事業者から出ている。われわれが出す必要性があるかも考え、必要なら情報を発信する」と、どこか人ごとのような受け答えに終始した。

公表まで1年超も

 運輸安全委は、前身の国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)が改組されて平成20年に発足した。事故・トラブルの調査だけでなく、当事者や関係機関に対して再発防止や被害軽減に向けた勧告などを行い、改善を促すという鉄道の安全にかかわる重要な役割を担う。

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