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【安全という使命(中)】加害企業に任せっきりにせず「声上げ続ける」遺族の責務 JR福知山線脱線事故13年

 当時社長だった垣内剛(74)、会長だった南谷昌二郎(76)ら経営トップに対し対話を呼びかけたが、刑事訴追への懸念などから組織防衛を優先したのか、当初は対話さえまともに応じなかった。空気が変わったのは垣内の後任として山崎正夫(74)が社長に就任してから。技術畑出身の社長就任はJR西では異例のことだった。山崎とは加害企業のトップと遺族という立場を超えた信頼関係を築いた。

 その中で得た“成果”が平成24年に立ち上げられ、事故にJR西が組織としてどうかかわっていたかを有識者を交えて遺族と同社が共同検証する「安全フォローアップ会議」だ。浅野も参加し、事故から9年を経た26年に会議の報告書が公表された。

 脱線事故の直接原因である運転士による速度超過とブレーキ操作の遅れ。その背景とされる「日勤教育」を含む信賞必罰の人事管理や、余裕時分を削った、経営優先のダイヤ編成。報告書には、安全管理体制の不備が示され、「なぜ事故が起きたのか」が記された。

3年ぶりに復活

 脱線事故は単なる運転士のミスではなく、組織的な要因が複雑に絡み合って起こった「組織事故」だった。防ぐには、組織の意識を変えるしかない。浅野らはそれを加害企業に任せっきりにせず、ともに考える場を設け、長い時間をかけて変革を促してきた。

 だが、台車亀裂問題で浮かび上がったのは、「安全に勝るものはない」という意識改革が十分ではなかったという事実だ。

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