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【JR脱線事故13年】悲しみを背負った街-目撃者の現場住民も「関係者」 家の前で電車が…僧侶ら思い聞き取る

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【JR脱線事故13年】
悲しみを背負った街-目撃者の現場住民も「関係者」 家の前で電車が…僧侶ら思い聞き取る

JR福知山線脱線事故の現場付近。保存・整備が進んでいる=平成30年3月、兵庫県尼崎市(本社ヘリから) JR福知山線脱線事故の現場付近。保存・整備が進んでいる=平成30年3月、兵庫県尼崎市(本社ヘリから)

目撃者として何ができるか

 聞き取り調査に協力した団体職員の北側利彦さん(60)は、ベランダから線路を挟んで現場を見渡せるマンションの5階に住んでいる。

 平成17年4月25日午前9時半ごろ、北側さんは勤務先で妻(57)からの電話を受けた。「家の前で電車が…」。呆然(ぼうぜん)とした声で事態を察し、早退した。

 規制線の内側に入っていた自宅に近寄れず、やっとの思いで戻ると、信じられない光景が広がっていた。脱線車両が衝突した向かいのマンションは、金属の塊がへばりついているように見えた。

 妻は、洗濯物を干しに出ていたベランダで事故の一部始終を目撃し、119番通報もしていた。ガラガラという騒音とともに折り重なる車両。次々と外に投げ出される乗客たち。ショックが強すぎた。

 その日から生活は一変した。洗濯物はできるだけ部屋で干し、ベランダに出ることがなくなった。日常でもカーテンは閉ざしたまま。被害者対策を行うJR西日本の担当者がつき、今でもやりとりがある。

 同じように事故を目撃したほかの住人たちはマンションから引っ越していったが、北側さん一家は残った。「目撃者として何かできることが、まだあるかもしれない」。事故から逃げたくないという妻の思いを尊重したからだ。

 西正寺のイベントで、参加者にこうした話を打ち明けると、不思議と心が安らいだ。ほかにもつらい思いを胸のうちに秘めている人がいることも分かり、遺族や負傷者だけでなく、地域住民も事故を語り継いでいくべきではないかと考えるようになった。北側さんは言う。

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