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ハエの「求愛歌」、羽音のリズム識別の仕組み解明 名古屋大チーム「人間の音声認識メカニズム解明に」

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ハエの「求愛歌」、羽音のリズム識別の仕組み解明 名古屋大チーム「人間の音声認識メカニズム解明に」

ショウジョウバエの求愛受け入れ実験のイメージ ショウジョウバエの求愛受け入れ実験のイメージ

 ショウジョウバエの雄が求愛のために出す羽音のリズムを、雌が聞き分ける脳の仕組みを解明したと、名古屋大の上川内あづさ教授(神経科学)らの研究チームが17日付の米科学誌に発表した。チームは「人間が音声を認識するメカニズムの解明につなげたい」としている。

 ショウジョウバエの雄は求愛の際、片方の羽を震わせて「求愛歌」と呼ばれる羽音を出す。音は空気の振動として雌の触角を揺らし、神経細胞を通じて脳に伝わる。

 チームは、音の伝達経路にある「AMMC-B1」という神経細胞が、求愛歌と同じリズムの音によく反応する一方、それよりも速いリズムにはあまり反応しないことに着目。この細胞が、脳の興奮を抑える働きなどが知られている神経伝達物質「GABA」によって速いリズムに反応しづらくなっていることが分かり、GABAを放出しにくくしたハエを作って音を聞かせる実験をした。

 羽を切除した雄を雌と一緒に小さな容器に入れ、スピーカーから求愛歌より速いリズムの音を流したところ、正常な雌ではほとんどが雄を受け入れなかったが、GABAを抑えた雌では2~4割が受け入れるようになったという。

 上川内教授は「リズムは人の会話でも重要。どのような間の取り方を自然と感じるかが分かれば、人工音声を聞いたときに感じる違和感を解消し、ロボットとのスムーズなコミュニケーションにつながるかもしれない」と話している。

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