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【痛み学入門講座】「急性痛」と「慢性痛」…イライラ続く患者さんへ

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 痛みは大きく「急性痛」と「慢性痛」に分類される。包丁で指を切ったり、やけどを負ったときなどに起こる急性痛は、身の回りのさまざまな危険から私たちを守ってくれる“警告信号”であり、生理的な痛みといえる。一方で、私が従事するペインクリニックを訪れる患者さんを悩ませ続けている慢性痛は、必要のない病理としての痛みなのである。不必要な警告信号が鳴り続けているだけで、「百害あって一利なし」である。

 急性痛を「痛みの原因がなくなれば、消える痛み」とすると、慢性痛は「痛みの原因がなくなっても、消えない痛み」と考えれば理解しやすい。したがって、急性痛が長期間にわたって続いても、それは慢性痛ではない。痛みの原因がなくなっていない場合の痛み(関節リウマチによる痛みなど)は急性痛なのである。

 慢性痛は、末梢(まっしょう)神経や中枢(ちゅうすう)神経系への持続的な刺激、さらには自律神経系の異常などによって発生するが、端的に言えば痛みに対する感受性が強くなっている(「感作された」と表現する)状態である。痛みは食欲不振、意欲の低下、不眠などを引き起こし、人はイライラとしたり、怒りっぽくなってしまう。自分の殻の中に閉じこもってしまうことだってあるだろう。これらのことから、慢性痛は単なる病気の症状のひとつではなく、それ自体が独立した症候群と考えた方がいい。

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