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【理研が語る】研究者になる、その瞬間

目の前の「不思議」を解明するのは、知恵の輪に挑戦する感覚に近い(イラスト・恵美雄一)
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 「どうすれば研究者になれますか?」

 見学に来た高校生からの質問に違和感を持った。思うに「研究する者」の本質は、対象を深く研(と)ぎ究(きわ)めんとする「態度」にあって、知識や肩書などの「状態」にはない。だから、研究者には「なってしまって」いるもので、参考書やノウハウは必要ないと思う。思想家・内田樹(たつる)さんの弁を借りれば、ヒトの遺伝子を持つ者が人間になるのではなく、人間的であろうという態度にこそ人間性は宿る。研究者もきっと同じだ。

 職業として研究者を選ぶ者の多くには、「研究が楽しくて仕方がない」という原体験が訪れる。僕には大学院生の時に来たが、小学生から持ち続けている人も、本当に多くいる。目の前にある不思議を解明しようと、自分の最大限の知識と技術で、試行錯誤・仮説検証を重ね続ける。そのチャレンジの多くは失敗に終わるが、「もう少しで解けそうだ!」という感覚が麻薬的で、捉(とら)われてしまうのである。知恵の輪に挑戦している感覚に近いのかもしれない。時々やってくる「解けそうな知恵の輪」は本当に魅力的で、考えなくても、考えている。食事をしても、布団に入っても、隣で奥さんが話していても。

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