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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】「いいチーム」とは

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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】
「いいチーム」とは

開幕戦で初勝利を挙げ、ナインを迎える楽天監督時代の田尾安志氏(戸加里真司撮影) 開幕戦で初勝利を挙げ、ナインを迎える楽天監督時代の田尾安志氏(戸加里真司撮影)

 プロ野球の監督として、理想のチーム像とはどんなものか。楽天の監督として考えたのは、「強いチーム」ではなく「いいチーム」にしたいということだった。

 「いいチーム」とは、選手が「働きがいがあるな」「プレーし続けたい」と思える集団のこと。有能なコーチ陣やトレーニング設備が整い、グラウンドで結果を出せば、きちんと評価される組織。その上で大切なのは、全体が一致して勝利を目指す姿勢。そして、裏方さんにも働きがいがあり、ファンも応援しやすい球団。18歳で入団した選手が1軍に上がり、レギュラーになる。そしてやがては、プロ野球界を代表する選手に成長する。フリーエージェント(FA)権を取っても、同じチームにいたいと思える球団。そんなチームを目指した。

 選手起用については、2軍とのコミュニケーションを大切にした。35歳を超えるベテランが17人もいたチームだっただけに、えこひいきをしていると思われると、腐ってしまう。先発投手なら2軍の試合で6回を自責点3以内に抑えるクオリティースタートを2試合連続、中継ぎなら1回無失点を3試合連続-で達成したら、必ず1軍に昇格させた。ミーティングでは、その方針を繰り返し確認した。明確かつ具体的な条件を示して確実に伝えれば、モチベーションは高まる。

 トレーナーや打撃投手といった裏方さんも重要だ。手足となるコーチ陣を招聘(しようへい)して組閣した際に、球団が人件費をコストカットした資金があった。それを「使わせてくれ」と申し入れ、裏方さんへの「勝利給」として使った。1試合勝つごとにボーナス。1軍だけでなく、2軍の裏方さんにも配った。縁の下の力持ちは立派な戦力。選手と同じ方向をみてもらう必要があった。

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