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【関西プチ遺産】「信号機支配」の中でゆったりした時間が流れる「水間観音駅」(大阪府貝塚市)

水間寺への玄関口となる水間観音駅=大阪府貝塚市
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 水間鉄道は水間寺へ参詣するための鉄道として敷設された。貝塚駅から終着の水間観音駅までは5・5キロ。大正15(1926)年に全線が開通した。現在の水間観音駅の駅舎もこの時に完成した。

 駅から徒歩10分ほどの水間寺は、天平16(744)年に奈良の大仏を建立した聖武天皇の勅命によって行基菩薩が創建したと伝えられる。境内に入るとまず三重塔が目に入ってくる。江戸時代の寛文元(1661)年に建立された三重塔は、天明4(1784)年に焼失してしまう。現在の塔は天保5(1834)年に再建されたものである。

 寺への玄関口となる水間観音駅の駅舎は鉄筋コンクリート造り。水間寺の三重塔をコンパクトにした「二重塔」の姿となっている。完成後90年以上を経た今日でも基本構造は建設時のままという。

 乗降客の目をひく「二重塔」の駅舎は、平成11(1999)年2月17日に国の登録有形文化財となった。さらに、翌12年には特徴のある駅を選定する「近畿の駅百選」の第1回目25駅のひとつとして水間観音駅も認定された。

 昭和50年代までは多くの利用者があった水間鉄道だったが、車での参拝者が増え、鉄道で水間寺を参詣する人は半減。鉄道の経営は悪化し、平成17年に会社更生法の適用を申請した。だが外食企業「グルメ杵屋」の支援で、会社更生法による出直しに成功し、今日に至っている。

 貝塚駅から水間観音駅までは15分ほどの電車旅。信号機に支配される車とは違い、ゆったりとした心持ちになれる時間である。(伊藤純)

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