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【銀幕裏の声】“チャーチルを甦らせた男”アカデミー賞・辻さん、特殊メーク原点は「スター・ウォーズ」チューバッカの「髪の毛」

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大物俳優からの依頼

 そして翌2013年、ポップアートの旗手と呼ばれた米芸術家、アンディ・ウォーホルの実物の2倍の頭像を制作し、ニューヨークの美術展で発表すると、瞬く間に辻さんの名は現代美術の世界で広まる。

 そんなハリウッド引退後の辻さんの姿をずっと見続けていた俳優がいた。英国出身の名優、ゲイリーだ。

 「3年前の2015年、ゲイリー本人からメールで特殊メークの依頼を受けたとき、私は一度断っているんです。決意して引退したのに簡単に戻るつもりはないと…。ところが、彼はあきらめなかった。とにかく一度、自宅へ来てほしいと言われました」

 自宅を訪れた辻さんをゲイリーはこう説得したという。「君がメークを引き受けてくれるなら、チャーチルを演じるが、無理なら断る」と。

 細面で目の間が狭いゲイリーの顔と、丸顔で目の離れたチャーチルの顔はあまりにも懸け離れていた。

 ゲイリー本人がその事実を最も自覚し、辻さんの技術でしか、自分のメークを任せられる者はいないと判断したのだ。

 「正直、私がこれまで手掛けてきた特殊メークのなかでも最難関の仕事になることが想像できました」と言うが、逆にそれが辻さんの創作魂に火をつけた。

 辻さんはゲイリーの依頼を引き受けることを決意した。理由は自分の技術を必要としている彼の熱意。チャーチル役に俳優生命を懸けている彼の思いがひしひしと伝わった。そして、メークの題材が、クリーチャーや怪物ではなく、歴史上の人物、チャーチルだったからだ。高校生の頃、初めて特殊メークを試みたのがリンカーンだったことを辻さんは思い出したという。

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