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【ミナミ 語り場】味、人、街のやさしさに惚れ フードライター・団田芳子さん

ミナミの和食店「なないろ」で取材する団田芳子さん(左)=大阪市中央区(前川純一郎撮影)
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 道頓堀から少し路地を奥へ入ると、昔ながらの小料理屋や洋酒バーなどが軒を連ねる法善寺横丁。フードライターとして数千軒に上るグルメ取材を行ってきた団田芳子さんが小路を歩けば、「だんちゃん、今日はどこ行くの?」と声が掛かる。大阪・阿倍野で生まれ、住吉で育った団田さんだが、「ここは私の街」と思っている。

 「この街は仕事場兼遊び場。いや、半分は家かな。キタはちょっと余所行(よそゆ)きの顔しているでしょ。その点、ミナミは素顔という感じ。なんか落ち着く」

 フリーのライターになったのは26歳のとき。平成11年に関西の食の雑誌「あまから手帖」の仕事をするようになってからは、もっぱら「食」の取材。ジャンルは和食から洋食、中華、イタリアン、バーまで多岐にわたり、料理人の腕と人柄に惚れ込み、気がつけば自身も常連客に。

 とりわけミナミの取材は楽しい。話を聞き終わっても、後から後から料理を出してくれる。「もう1軒行って食べなあかんから」と断っても、「そう言わんと、これだけは食べていって」と。

 それはサービス精神であり、「もてなしたい」という優しさ。そして、料理とともに店主らが語る昔話もまた“ごちそう”だ。

 「ミナミには三味線やお囃子(はやし)の音がないとあかんな」「ここの石畳は南海電鉄の社長が路面電車の敷石を持ってけ言うてくれはって」など、花街から発展したミナミの雑駁(ざっぱく)とした匂いが混じる逸話の数々に、「今では聞けない話ばかり。みんな私の財産」と実感がこもる。

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