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【ボストンから一言(7)】「韓国語は斜め読みが難しい」 蓮池薫氏の翻訳本に感動する日韓バイリンガルの声

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 「原作よりも日本訳の方がはるかにひきつけるものがあります。勇猛な武将だけでなく人として身近に感じられるのです。能無し大臣や愚かな王に翻弄される苦悩や孤独、それは蓮池さんが題名とした「孤将」そのものです」

 「長いとらわれの身で、日本語から遠ざかっていながら、これほど格調ある日本語を書けるとは、生まれながらの文学的素養があるのですね」と感銘していた。

 Hさんの感想を聞いた私は思わずこう語りかけた。

 「Hさん、あなたが言われたことを日本語で蓮池さんに書いてください。気づいた読者が1人でもいることを知らせましょう。彼の苦労が報われます。きっと喜ばれますよ」

 下手な日本語だと尻込みするHさんを叱咤(しった)激励して手紙を書かせた。

 半月ほどして、思いもかけず蓮池氏から、Hさんと私にも、自筆で返事をいただいた。

 人柄を表す優しい字体と、誠実さが伝わる内容の手紙だった。

 Hさんへは横書、私へは縦書きで書かれ「額縁に入れるのには、縦書きの方がきれいですよ。かえっこしましょう」と冗談を言うほど感謝をしていた。

 それからしばらくして「実は、勢いに乗って、韓国の金薫作家にも手紙を出しました」と恥ずかしそうに言うのには「えっ?」と絶句。

 数か月経っても返事はなかったそうで、「蓮池さんの翻訳本の方が面白かったと書いたでしょう。それなら返事がくるわけないですよ」と言って2人で笑っていたのが、昨日のように思える。

   ◆       ◆

ここからは私個人のお話です

 これまでの話と前後してしまうが、2016年7月に泌尿器外科で受けたCTスキャンで両肺にがんが見つかった1週間後、私は「CTガイド下肺生検」というものを受けている。

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