【衝撃事件の核心】「1人オレオレ詐欺」で被害者宅にも宿泊、捜査員も驚く大胆な手口
特殊詐欺の手口を熟知する捜査関係者も、その大胆不敵さに驚いた。電話の「かけ子」と金銭の「受け子」を兼ね、さらに息子の同級生と称して被害者の高齢女性宅に宿泊までした韓国籍の無職男A(59)が2月、大阪府警に詐欺容疑で逮捕された。組織性は皆無の単独犯で、フリーランスのまさに「1人オレオレ詐欺」。だまし取った現金でパチンコに興じただけでなく、覚醒剤まで購入する無軌道ぶりだった。実際の息子が実家に電話をかけたことで今回の被害が発覚したのだが、息子もさぞ驚いたことだろう。「同級生のオカザキって…誰やねん!」
手ぶらの来訪者
「大学時代に世話になった同級生のオカザキを泊めてあげてほしい」
1月6日、大阪府四條畷市の80代女性宅に電話がかかってきた。
Aは名乗らずに「俺だけど」と告げた。女性は息子と思い「義雄(仮名)かい?」と尋ねた。
待ってましたとばかりに食いつくA。「そうだけど。オカザキは寝るだけだから泊めてやってくれないか」と続けた。
息子の友人とはいえ、1人暮らしの高齢女性が見知らぬ男を宿泊させることに抵抗感は強かっただろう。女性は「嫌や」と難色を示したが、最終的にはしぶしぶ了承した。
電話口で息子をかたるのはオレオレ詐欺の典型手口だが、事件はここから異例の展開をたどる。電話をかけたA自身が「オカザキです」と名乗り、実際に女性宅に現れたのだ。