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【関西の議論】建設ラッシュで沸く京都、その影で遺跡調査員の人手不足が深刻…開始まで4カ月待ちの異常事態 

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【関西の議論】
建設ラッシュで沸く京都、その影で遺跡調査員の人手不足が深刻…開始まで4カ月待ちの異常事態 

無数の穴が出土する平安京左京域の調査現場。遺構の解釈や図面化はベテラン調査員でも難しい 無数の穴が出土する平安京左京域の調査現場。遺構の解釈や図面化はベテラン調査員でも難しい

 とはいえ、調査件数は半端ではない。京都市の遺跡地図に掲載された場所に建物を建てる場合、関係者は市に届ける必要があり、同課によると、28年度の届け出数だけでも1527件に上った。

 このうち同課が遺構確認のために小さな試掘溝を掘って調べ、本格的な調査に移ったのは47件。ホテル建設ラッシュに沸く29年度以降はこれ以上の数字になることが確実だ。現に試掘から発掘調査に移行するまで4カ月待ちの状態だ。

急がれる若手育成

 一方で、調査員の数はここ数年ほとんど増えていない。同課に登録する民間団体・会社は12で、調査員数は合計45人にとどまり、高齢化が進んでいる。

 大極殿を含む平安宮などの重要遺構の調査を長年担当し、現在も約20人の調査員を抱える京都市埋蔵文化財研究所(公益財団法人)も例外ではない。50歳以上が約半数を占め、このうち左京域(平安京の中心を通る朱雀大路=現在の千本通=より東)の調査が可能な経験豊富な調査員はもっと少ない。

 ベテランを含め5人の調査員がいる古代文化調査会(神戸市)の家崎孝治代表は「数百平方メートルを調査するにも平均で2~4カ月かかる。遺物整理や報告書作成に追われ、年間で5カ所こなすのが精いっぱい」と説明する。

 各団体とも60~70代の調査員が少なくないが、常にフル稼働の状態。一方で20~30代の若い調査員は少ない。京都市は体力的な面から、民間に「70歳定年制」を呼びかけているが、馬瀬係長は「強く言い出せず、やはり若い調査員の育成が急がれる」と話す。

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