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【衝撃事件の核心】覚醒剤密輸組織「捨て駒役」の悲哀、「だまされた」法廷で悔やんだ中国18歳少年の浅はかさ

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【衝撃事件の核心】
覚醒剤密輸組織「捨て駒役」の悲哀、「だまされた」法廷で悔やんだ中国18歳少年の浅はかさ

警察は全てお見通し

 捜査員がホテルにいたのは偶然ではない。実は、捜査当局は少年の行動を全て把握していたのだ。

 発端は、少年が関空に到着した日にさかのぼる。入国審査の際、少年の入国目的やスマホを3台も持っていることなどを税関職員が不審に思い、少年を尾行。大阪府警と連携しながら、行動を監視していた。

 そして、同年5月中旬、少年宛の荷物が中国から関空に届くと、少年に郵送する前に中身を検査。物干しざおの1本を解体し、中に覚醒剤が入っているのを事前に見つけていた。

 税関職員は物干しざおを元に戻し、荷物を少年に送った。捜査員は運送状況を追跡し、少年が荷物を受け取るのをその目で見ていた。「コントロールド・デリバリー」と呼ばれる捜査手法だ。

「家庭環境に問題」と弁護側

 荷物を受け取るだけで45万円の報酬は、一見高額と思える。だが、17万回分もの大量の覚醒剤密輸に加担し、逮捕のリスクが高い役割を担うことを考えると、とても見合うとはいえない。弁護側は公判で「少年の家庭環境に問題があった」と情状酌量を訴えた。

 少年が生まれたとき、父親は刑務所の中。母親は体に障害があり、障害年金などで生活していた。

 父親は出所後も少年や母親に暴力を振るい、再び刑務所に。母親は中学1年のときにがんで他界した。勉強の意欲をなくした少年は中学生にして留年。暴力事件を起こして、矯正施設に入ったこともあった。

 施設を出たあとは一時、知人女性と同居していたが、事件当時は1人暮らしだった。

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