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【弁護士会 地殻変動(2)】「政治的な活動にうつつを抜かしている暇ない」ロースクール世代、ベテランと溝

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【弁護士会 地殻変動(2)】
「政治的な活動にうつつを抜かしている暇ない」ロースクール世代、ベテランと溝

 「弁護士の役割や使命への自覚はなく、もっぱら経営の安定だけが関心事と見える」

 平成27、28年度の東京弁護士会副会長選挙で「弁護士自治」の“廃止”を打ち出したロースクール世代の赤瀬康明(39)やその支持者に対し、同じ東弁所属の澤藤統一郎(74)が当時、ブログでこう強く批判した背景には、弁護士自治に対するベテラン世代の強い思い入れがある。

ベテラン危機感

 弁護士自治は、弁護士が悲願の末に勝ち取った生命線だ。戦後の昭和24年に施行された弁護士法で、弁護士会は登録事務と監督・懲戒権を独占した。世界でもまれに見る、監督官庁を持たない自治体制は、戦前の教訓から生まれた。

 戦前の旧弁護士法では、登録を法務府が管轄。監督・懲戒権は司法省が持ち、弁護士会は任意加入団体にすぎなかった。こうした状況下で、共産党員が検挙された昭和3年の「3・15事件」などで弁護人を務めた「日本労農弁護士団」が8年、治安維持法違反で一斉に逮捕され、弁護士資格を剥奪(はくだつ)されるなど、弁護士が言論統制の対象となるケースが相次いだ。

 弁護士は、使命とする「人権擁護と社会正義」を実現するためには、いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければならない。そのためには監督・懲戒に国家が介入できない仕組みが必要-。その積年の願いを実現したのが現在の弁護士自治だ。強制加入制も、弁護士自治を担保するために必要不可欠な仕組みとして導入された。

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