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【理研が語る】「脳を見て、心を理解する」夢の装置、心の病治療に結びつくことを信じて

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【理研が語る】
「脳を見て、心を理解する」夢の装置、心の病治療に結びつくことを信じて

理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)研究員の水間広さん 理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)研究員の水間広さん

 渡辺博士がさまざまな病気に関する成果を紹介する中で、私は特に自閉症患者のPET研究に興味をひかれた。自閉症は社会性やコミュニケーション能力に問題があり、また、こだわりを強く持つ脳機能の障害である。PETを使えば、コミュニケーションが苦手な彼らの心を見ることができるのではないかと期待したのを覚えている。

 あれから時が過ぎ、私は現在、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター長である渡辺博士のもと、ヒトの自閉症に類似した病態モデルマウスを使ったPET研究にいそしんでいる。このマウスが持つ特徴的な行動や症状と、独自のPET撮影法で得られたデータから、脳の機能との関わりを調べているのだ。将来、私たちの研究成果が、さまざまな病気の新しい治療に結びつくことを信じ、今日もまた研究に邁進(まいしん)する。

(この寄稿は平成29年3月30日付産経新聞に掲載されたものです)

【プロフィル】水間広(みずま・ひろし) 理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)研究員。杏林大学大学院保健学研究科修了。博士(保健学)。大阪市立大学大学院医学研究科博士研究員を経て、理研でPETを用いた基礎研究に長く従事している。3児の父。趣味は野球、ソフトボール以外に料理で、最近では5歳になる長女と休日に料理を作るのが楽しみ。 

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