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【理研が語る】「脳を見て、心を理解する」夢の装置、心の病治療に結びつくことを信じて

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【理研が語る】
「脳を見て、心を理解する」夢の装置、心の病治療に結びつくことを信じて

理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)研究員の水間広さん 理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)研究員の水間広さん

 明日31日はプロ野球の公式戦開幕日だ。野球ファンの私にとっては待ちに待った一年が始まる。

 今年は野球の世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシックも開催され、侍ジャパンの雄姿も記憶に新しい。テレビに映し出されるホームランや三振に一喜一憂し、華麗なプレーを見て心躍らせた。私はとりわけ画面に映る選手の表情が好きだ。野球は「間」のスポーツ。静から動、そしてまた静へ、バッターとバッテリーとの心理戦がたまらない。もし相手の心が丸見えで次の一手が読み取れたら、面白みに欠けるだろう。

 では、心を見ることができる機械などあるのだろうか。私がまだ大学生だった時、ある講演会でそんな夢のような装置に出合った。それは当時、大阪バイオサイエンス研究所研究部長だった渡辺恭良(やすよし)博士が紹介していたPET(ペット)(陽電子放射断層撮影)だった。

 PETは画像診断技術のひとつであり、病院で見かけるX線撮影やCT(コンピューター断層撮影)のような体のかたち(形態)を写しだす技術とは異なり、分子がどこにどれだけ集まるのかを利用して、体のはたらき(機能)を画像化する技術である。今ではがんを早期に発見する検査として取り入れる病院も増えてきているが、当時は日本の医療現場には皆無で、せいぜい最先端の研究所や大学病院に設置され、主に研究に使用されていた希少な装置であった。

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