産経WEST

【弁護士会 地殻変動(1)】「思想信条活動にうつつを抜かす暇なし」困窮する若手、執行部の左傾的闘争に反発

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【弁護士会 地殻変動(1)】
「思想信条活動にうつつを抜かす暇なし」困窮する若手、執行部の左傾的闘争に反発

平成29年度予算案を審議する日本弁護士会の定期総会。完全な自治権を持つ日弁連の最高意思決定機関だ=29年5月 平成29年度予算案を審議する日本弁護士会の定期総会。完全な自治権を持つ日弁連の最高意思決定機関だ=29年5月

 赤瀬は27、28年度選挙に立候補し、ロースクール世代の結集を呼びかけたが、いずれも300票台にとどまり、落選した。ただ、一定の票を得た事実は、厳しい環境への解決策を打ち出せない弁護士会への批判がひそむことを物語る。

ロースクール世代45%

 赤瀬と同じ東弁に所属する澤藤統一郎(74)は「国家権力と対峙(たいじ)し、人権や自由を守るのが弁護士の職能であり、だからこそ自治が必要。強制加入と切っても切り離せない」と指摘し、こう続けた。

 「あっけらかんと私利私欲を表に出し、稼げればいいという弁護士が出てきているのは嘆かわしい」

 澤藤の嘆きは「人権擁護と社会正義」こそが弁護士の使命と固く信じる世代が共有する。それ自体は誤った認識ではない。ただ、弁護士増員の荒波にのまれたロースクール世代との価値観の溝は広がっている。

 元大阪弁護士会会長の重鎮弁護士は言う。「生き残るのが大変な時代なのに、若手が弁護士会の恩恵を感じていない。政治的な思想信条の活動にうつつを抜かしている暇はないってね」

 3万8千人超の日弁連会員で法科大学院出身者は約45%を占め、過半数に達する日もそう遠くはない。世代間対立が激化すれば、弁護士自治の崩壊が現実味を帯びてくる。(敬称略)

  

 急増するロースクール世代と弁護士会の断絶が露呈してきた。困窮する若手は、度を越す政治闘争を続ける弁護士会組織を疑い始めたのだ。最終の第5部では、この地殻変動に焦点を当てる。若手の反旗は、弁護士会のありようを変えるだろうか。

関連ニュース

「産経WEST」のランキング