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【スポーツの現場】
2018年の女子マラソン界の注目 上原美幸、松田瑞生、鷲見梓沙…5千、1万メートル有望選手らが次々に挑戦 東京五輪狙う
ところが、距離には不安があり、人生初のハーフは1時間15分30秒も掛かっていた。「マラソンはやりたくない」と山下監督にはっきり、涙ながらに伝えていた。腹が決まったのは11月末。「やる覚悟を決めました」。2度目のハーフで1時間9分台をたたき出した。

トラック種目との二刀流目指す
ただ、上原の場合、マラソン挑戦だけにとどまらない。レース後、「東京五輪は欲を言えば、両方出たい」とトラック、マラソンでの出場を打ち出した。実現すれば、前回東京五輪の円谷幸吉の例はあるが、異例のチャレンジ。実は、“二刀流”を冗談交じりに勧めたのは山下監督なのだが、「本人がどう思うか次第」と苦笑いする。
上原は上原で「今までにない選手になりたい。陸上界に名前を残す」と力強い。18年は日本選手権までトラックに注力しつつ、19年1月の大阪国際で初マラソンを踏むのが現状での構想だ。
上原に残り200メートルで抜かれた一山も、1時間9分14秒の好タイムだった。福士加代子擁するワコールの次期エース候補と目される20歳。自己ベストを大幅に更新し、「いい経験になった」。昨年5月19、20日の関西実業団選手権では5000メートル、1万メートルの2冠。18年中にマラソンデビューすることになりそうだ。
