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車いすで、あでやかに 着付け資格の講座人気

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車いすで、あでやかに 着付け資格の講座人気

 座ったまま、あでやかに-。NPO法人「日本理美容福祉協会」が車いす利用者に着物の着付けをするための認定資格を創設し、全国で養成講座を開いている。利用者の負担が少なく、手持ちの着物をそのまま身に着けられる方法を同協会滋賀米原センター代表の仲谷由美子さん(49)が考案、既に100人近くが資格を取得した。

 「引っ掛からないよう、裾を短く」。11月、名古屋市で開かれた「車いす着付師中級・上級養成講座」。受講者が仲谷さんの言葉に聞き入った。

 講座で学ぶのは主に(1)あらかじめ着物と長じゅばんを敷いた車いすに座ってもらう(2)車輪に巻き込むのを防ぐため裾をすぼめて短く着せる(3)事前に整えた帯を体の手前で結ぶ-といった工程。サイズ調整などのために着物や帯を加工する必要はなく、利用者は最後まで座ったままだ。

 車いすの背もたれと干渉する帯が極力薄くなるよう通常の「帯枕」ではなくスポンジ素材を使用。帯を固定するクリップを和紙で包み、安全面でも工夫を凝らした。

 名古屋市名東区の介護士、宮川真奈美さん(54)は、車いすを利用する知人の女性から「着物で初詣に行きたい」と打ち明けられ、講座に参加した。受講生同士で手順を教え合うなど和やかな雰囲気ながらも、次第に真剣な表情に。着付けを終えて「練習を重ねて知人にも着せてあげたい」と顔をほころばせた。

 講座は平成28年7月スタート。当初は受講生が集まらないこともあったが、会員制交流サイト(SNS)などで情報が広がり、参加者が増えてきた。仲谷さんは「美容サロンに『車いす着付け』というメニューがあるのが当たり前になれば」と期待している。

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