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【西論】将棋界 この1年 AIにはない白熱の人間ドラマ

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【西論】
将棋界 この1年 AIにはない白熱の人間ドラマ

プロ入り1年を迎え、「今後の糧になる1年だった」と語る藤井聡太四段=大阪市福島区の関西将棋会館(柿平博文撮影) プロ入り1年を迎え、「今後の糧になる1年だった」と語る藤井聡太四段=大阪市福島区の関西将棋会館(柿平博文撮影)

 対局後の会見で「今回が最後のチャンスと思った」と語った羽生棋聖。40代半ばとなり、一般的には思考や体力が衰えてもおかしくない年齢だ。実際、昨年四冠を保持していたが、今年秋にかけて20代の若手たちに相次いでタイトルを奪われ、約13年ぶりに一冠に後退した。しかし竜王を奪取し、永世七冠を成し遂げた。まさに「羽生マジック」だ。

 ◆魅力は、やはり人

 そう考えると、AIに脅かされもしたが、ふたを開けてみれば、今年は「人間回帰」の年だったといえるのではないか。

 対局の様子は、インターネット放送局などで生中継されている。長時間に及ぶ対局は、野球やサッカーと違って変化が少ないにもかかわらず、視聴する人は多い。対局や、対局中に行われる解説が、面白いからだ。

 絶体絶命のピンチでもあきらめずに形勢を覆す一手。圧倒的に形勢が有利なのに思わず指してしまった悪手。勝ち筋が見えたときに震える羽生棋聖の指。負けを悟って天を仰ぎ、苦悶(くもん)の表情を浮かべる棋士。早口と破顔一笑がトレードマークの加藤九段の、対局中に相手側に回り込んで盤面を眺める「ひふみんアイ」は有名になった。ときどき藤井四段も相手が席を外しているときに実行する。そうした棋士たちの人間くさい一面が逐次ネットの生中継で映し出される。

 将棋に関心がなかった層にも受け入れられた背景には、昨年から今春にかけ、『聖(さとし)の青春』や『3月のライオン』といった将棋がテーマの映画が相次いで公開されたことも影響しているのかもしれない。現実の対局についても、フィクションに負けないくらい面白いと感じられただろう。

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