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【理研が語る】防災・減災のため実社会を数式・数量に変換 高度な数値シミュレーション被害予測も利用されてナンボ

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【理研が語る】
防災・減災のため実社会を数式・数量に変換 高度な数値シミュレーション被害予測も利用されてナンボ

シミュレーションする都市モデル シミュレーションする都市モデル

 このような高度なシミュレーション結果も、利用されて初めて価値を持つ。利用されるためには的中することが大事だが、現段階の目標はピンポイントに正確な予測ではなく、確率的な予測である。例えば大地震の際に10%の確率で機能不全になる建造物を10施設予測したとしよう。その場合、そのうち1つに1千万円をかけて完全に耐震化し、残り9つをそのままにするより、10施設に100万円ずつかけて瞬時に完全に倒壊することを防いでおけば、災害後も機能が残る9施設で復旧活動を始められる。

 私はこのような確率的な被害予測を通して、災害が来ても立ち直りの早い強靱(きょうじん)な社会を作ることに貢献していきたい。

 大石哲(おおいし・さとる) 神戸大学都市安全研究センター長兼理研計算科学研究機構(AICS)総合防災・減災研究ユニット長。工学博士。昭和43年、静岡県生まれ。京都大学工学部卒業後、同大大学院工学研究科修了。同大防災研究所助手、山梨大学工学部准教授などを歴任。専門は土木工学で、特に工学を都市の安全に活用する研究をしている。

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