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【回顧2017関西経済(1)】漫然と見過ごす企業文化に愕然 神戸製鋼の「データ改竄」相次ぎ発覚 

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【回顧2017関西経済(1)】
漫然と見過ごす企業文化に愕然 神戸製鋼の「データ改竄」相次ぎ発覚 

生産者のプライド希薄化

 今年、神戸製鋼を端緒に三菱マテリアル、東レと素材メーカーで同様の不正が立て続けに発覚した。近畿大経営学部の中谷常二教授(ビジネス倫理論)は「競争がグローバル化する中、製品の先にユーザーがいるという想像力が欠如し、生産者としてのプライドが希薄化した結果だ」と批判する。

 実は神戸製鋼が全社的な調査に乗り出したのは、昨年6月に別の不正が発覚したことがきっかけだった。関連会社の神鋼鋼線ステンレス(大阪府泉佐野市)がJIS規格に満たない製品の検査データを改竄。今回の不正と同様の手口だった。

「なぜ始めたか分からない」

 神鋼鋼線の問題に、一連の不正の手がかりを求め取材を続けた。あるグループ会社幹部に問うと、あきらめ顔でこう返ってきた。

 「過去から引き継いだことを、ただ漫然と続けていた。担当者も、なぜ始めたか分からないそうだ」

 最初は出来心だったかもしれない。だが、当事者が気付かぬうちに不正行為が企業文化として根付いていた実態に、愕然(がくぜん)とした。

 神戸製鋼は11月10日に中間報告を公表したが、真相究明は弁護士らによる外部調査委員会に一任した。年内に調査結果や再発防止策をまとめる予定だ。

 ただ、今後の事業立て直しには、不正を見過ごす文化を根絶する意識改革が不可欠だ。(藤谷茂樹)

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