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【理研が語る】「有機化学」は一線越えれば面白いパズル 自然界のルール破った、その先には…

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【理研が語る】
「有機化学」は一線越えれば面白いパズル 自然界のルール破った、その先には…

実験に取り組む中学生。有機化学は、一線を越えたら面白いパズルだ 実験に取り組む中学生。有機化学は、一線を越えたら面白いパズルだ

 では、そうなったときに、僕は何を作ればいいのだろうか。そのヒントになり得るできごとが、米国留学中にあった。所属した研究室の若い教授と、僕が見つけた研究の種について議論したときに、彼が「それで世界が変わるのか」と僕に問いかけたのだ。基礎研究に夢中になっていた当時の僕に、世界を変えるような提案はできなかった。

 有機化学のルールを破り、不可能を可能にすることで、どこかの世界を変えることはできないだろうか。せっかく基礎研究を進めるのなら、世界を少しずつ変えていく方がきっと楽しいだろう。たとえガラッと変えることはできなくても、目指す方向くらいはあってもいい。

 留学先の教授はその後、彼の研究室で開発した化学のテクノロジーを生かし、医学の世界を少しずつ変えようとしている。まずは僕も、一緒に研究を進めている医学者や生命科学者の世界から少しずつ変えていってみたい。

 丹羽節(にわ・たかし) 理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)分子標的化学研究チーム副チームリーダー。京都大学大学院修了、博士(工学)取得。専門は分子を改変するための化学反応の開発。理研では「信号を出す分子」の簡便な作り方の開発研究に従事し、創薬や医学・生命科学の研究の推進に貢献している。

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