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【理研が語る】モノづくり支えるスパコン 例えば自動車、「設計図の段階」で高速走行時の安定性・安全性の評価が可能に

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【理研が語る】
モノづくり支えるスパコン 例えば自動車、「設計図の段階」で高速走行時の安定性・安全性の評価が可能に

スーパーコンピューター「京」=神戸市中央区 スーパーコンピューター「京」=神戸市中央区

 自転車や自動車を運転していて、トラックに追い越された時や、突風にさらされた時、ハンドルをとられてひやりとした経験はないだろうか。自動車から鉄道、飛行機や船舶に至るまで、われわれの身の回りの乗り物は常に大気や海洋からの影響を受ける。さらには高層建物や巨大なつり橋のような建築物も強風の影響を受け、単に揺れを引き起こすだけでなく、過去には米国で巨大つり橋が崩落した事故も発生している。こういった大気や海洋から受ける力は流体力と呼ばれ、この影響を正しく見積もることは、より良い製品を開発する上で避けて通れない。

 では、目に見えない大気や海洋の影響を、ものづくりの際にどうやって見積もればいいのだろうか。例えば数万点の部品からなる自動車の場合、設計図をもとに高価な模型や試作品を作成し、風洞と呼ばれる装置内で理想化された空気の流れを作って、性能評価を行う。自動車の場合、燃費に大きな影響を与える空気抵抗を少しでも減らすことが重要である。しかし設計初期では、新車に求められる燃費性能を達成できないことも多く、数多くの試作品を作成し、膨大な実験時間を費やして最終的な目標を達成しているのが現状である。

 最近ではこうした風洞実験による空力性能評価のコストと時間を少なくする目的で、コンピューターを用いたシミュレーションが使われつつある。しかしながら企業が有するスーパーコンピューターでは、風洞実験といういわば理想化された実験室での性能評価が関の山であり、追い越しや突風のようなわれわれが日常遭遇するリアルワールドでの性能評価を行うには限界があった。

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