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【理研が語る】生存競争に敗れた“負け組”の大逆転劇-「iPS細胞で腎臓を作る」研究から考える多様性の大切さ

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【理研が語る】
生存競争に敗れた“負け組”の大逆転劇-「iPS細胞で腎臓を作る」研究から考える多様性の大切さ

一つの研究成果は無数の基礎研究の蓄積から生まれる 一つの研究成果は無数の基礎研究の蓄積から生まれる

 勝ち組種が大量絶滅した後に、環境の激変を生き延びた負け組種が繁栄する。なんともロマンのある話ではないか。いやいや、実はこの類の事象は生命の歴史の中で何度も繰り返されてきた、よくある話なのだ。そこでふと思う。それを知っているわれわれ人類はどう生きるべきか。自分の身の回りに照らすと、研究とはどうあるべきか。

 それは、大はやりの研究ばかりしていては、人類に未来はないということだろう。研究者個人にとっても同様だ。時勢に左右されず、誰も手をつけていない基礎研究をコツコツと続け、多様な研究をたくさん積み上げなくてはならない。冒頭の私の研究成果もまた、先人たちの腎臓発生研究の積み上げから得られたものだった。

 高里実(たかさと・みのる) 理研多細胞システム形成研究センター(CDB)ヒト器官形成研究チーム・チームリーダー。東京大学大学院修了。博士(理学)。オーストラリア・クイーンズランド大学へ博士研究員として留学中、ヒトiPS細胞から腎臓のオルガノイド(人工的に作られる臓器に似た組織体)を誘導した。平成28年から現職。ヒト腎臓の発生学および腎臓の再生医療実現を目指した研究をしている。

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