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チンパンジー親子3頭の全ゲノム配列を解明 京大などのグループ、英科学誌に発表

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チンパンジー親子3頭の全ゲノム配列を解明 京大などのグループ、英科学誌に発表

 チンパンジー親子3頭(父、母、子)の全ゲノム(DNAの遺伝情報)配列を解析したところ、子供の遺伝子変異のうち75%が父親由来だったことがわかったと、京都大と自然科学研究機構の郷(ごう)康広特任准教授(霊長類学)らのグループが英科学誌電子版に発表した。

人と99%のゲノム情報を共有

 チンパンジー親子3頭のゲノム解析に成功したのは初めて。人と99%のゲノム情報を共有するチンパンジーは進化的に人に最も近く、これまでは化石資料から約600万年前に種が分かれたとされる。郷特任准教授は「今後、チンパンジーと人間のゲノム解析を重ねることで、種分化の時期などが明らかになる可能性がある」と話している。

 グループは京大霊長類研究所の親子のアキラ(オス34歳)、アイ(メス33歳)、アユム(オス12歳)のゲノム配列を解明。精度を高めるため、それぞれを150回繰り返し読み込んだ。情報量は新聞朝刊の約7千~8千年分の文字数に相当するという。

35カ所に新規突然変異

 その結果、両親どちらのゲノムにも存在しない変異が子に生じる新規突然変異が35カ所で確認された。いずれも進化に影響を与える生殖細胞に生じる変異で、75%は父(精子)由来だったことも明らかになった。

 人のゲノム配列解明は、これまで30回程度繰り返し読み込むのが一般的だった。今回のチンパンジーのゲノム解析で30回程度と150回の各データを比較すると情報にばらつきがあったため、人のゲノム配列解明についてもより精度を高める必要性があるという。

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