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【芸能考察】自惚れ・わがままはボブ・ディランだったのか、ファンだったのか…ライヴ盤「トラブル・ノー・モア」の衝撃

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【芸能考察】
自惚れ・わがままはボブ・ディランだったのか、ファンだったのか…ライヴ盤「トラブル・ノー・モア」の衝撃

福音派のクリスチャンに改宗した時期の宗教色満載の演奏を収めたボブ・ディランの「トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-81」 福音派のクリスチャンに改宗した時期の宗教色満載の演奏を収めたボブ・ディランの「トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-81」

 実際“お前が何者であれ、人は誰でも誰かに使えねばならない」と繰り返し歌う「ガッタ・サーヴ・サムバディ」や、神がどうやって動物に名前を付けたかについて、懇切丁寧に説明する「マン・ゲイヴ・ネームズ・トゥ・オール・ジ・アニマルズ」、そして聖書の一節を元に“神は皆の髪の毛の1本1本、砂粒のひとつひとつにも目を光らせておられる”とのメッセージを送る「エヴリィ・グレイン・オブ・サンド」などなど、ほとんどキリスト教の布教活動の様相。

 当時、観客が“俺たちはディランの歌とロックを楽しみに来たんだ。キリスト教の説教なら教会で聞くぜ”と怒って席を立ったというのも分からなくもない。

 そんな反発の声を受けてか、ディランが「ショット・オブ・ラヴ」の次に出したアルバムが超名盤「インフィデル」(不信心者)で、宗教色が消えた本作にファンは“昔のディランが戻ってきた”と大喜びした。

 とはいえ、こうしたファンの一喜一憂について、ディランは後にこう述懐している。

 「復帰でも何でもなかった。反対ばかりしている連中が自分たちを正当化しようとしただけだ。わたしはいつも、ファンと言われる人たちにわたしに従うな。だれにも従うなと言っている。ただ追随するなんて赤ん坊のすることだよ。その種のファンは好きになれないな

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