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【芸能考察】自惚れ・わがままはボブ・ディランだったのか、ファンだったのか…ライヴ盤「トラブル・ノー・モア」の衝撃

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【芸能考察】
自惚れ・わがままはボブ・ディランだったのか、ファンだったのか…ライヴ盤「トラブル・ノー・モア」の衝撃

福音派のクリスチャンに改宗した時期の宗教色満載の演奏を収めたボブ・ディランの「トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-81」 福音派のクリスチャンに改宗した時期の宗教色満載の演奏を収めたボブ・ディランの「トラブル・ノー・モア(ブートレッグ・シリーズ第13集)1979-81」

 当時、かなりの問題作との扱いを受けたこの3枚だが、今回発表された「トラブル・ノー・モア-」には、この時期のライヴを通常盤ではCD2枚、完全生産限定の特別編集盤ではCD9枚と、当時の貴重なライブ映像を収めたDVDが付いている。

 実際、聞いてみると、ディランが自らステージ上で重大告白をしたシラキュース公演を含むこの年の世界ツアー(78年2月20日~12月16日)の流れをくむ、重厚かつタイトな演奏は十分インパクトがある。

 さらに、ジム・ケルトナー(ドラム奏者)ら名うての演奏家と華やかで力強い女声コーラスを配したファンキーで黒っぽいサウンドは、前述の世界ツアーのスタート国、日本での公演のうち、2月28日と3月1日の日本武道館でのステージを収めた名ライブ盤「武道館」(78年8月)に収録された「アイ・シャル・ビー・リリースト」や「時代は変わる」をさらに進化させたものといえる。

 そして“ゴスペル・ツアー”と呼ばれたこの頃のディランの歌声は当然ながら力強く熱っぽくパワフル。楽曲の方もかつての代表曲はほぼ皆無で、この時期のキリスト教色の強い新曲ばかりとあって、ディランの確固たる自信と強い信念のほどがうかがえる。

「ファンに、私に追随するな、と言っているんだ…」

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