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【関西の議論】あの大塩平八郎も認めた「義商」 大丸創業300年、焼き討ちを回避させた「先義後利」の精神

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【関西の議論】
あの大塩平八郎も認めた「義商」 大丸創業300年、焼き討ちを回避させた「先義後利」の精神

「大丸京都店 祇園町家」が出店した京都・祇園で、大丸の創業300周年記念行事に参加したウサイン・ボルトさんや地元の子供たち=9月、京都市東山区 「大丸京都店 祇園町家」が出店した京都・祇園で、大丸の創業300周年記念行事に参加したウサイン・ボルトさんや地元の子供たち=9月、京都市東山区

 また、京都市内では今年1年間限定で、大丸のシンボル孔雀(クジャク)のマークを掲げたタクシー3台が走る。大丸京都店で使用できる金券300円分のプレゼントもあり、乗車できれば「運がよい」(大丸関係者)という百貨店ならではの〝非日常〟の楽しみも提供する。

「先義後利」最重視

 大丸の歴史をひもとくと、創業は江戸中期の享保2年にさかのぼる。8代将軍、徳川吉宗の時代。業祖である下村彦右衛門正啓が、交通の要所だった京都・伏見に、呉服店「大文字屋」を開いた。

 9年後の享保11年には、現在の心斎橋店(大阪市中央区)がある場所に大坂店を開業。その2年後には名古屋店を開き、ここで初めて「大丸屋」と名乗った。寛保3(1743)年には、江戸・日本橋大伝馬町に江戸店を開業した。

 こうしたなか、経営の考え方の軸となる言葉が大丸内に浸透する。元文元(1736)年、社是「先義後利」が全店に布告された。

 この言葉は中国の儒学の祖の一人、筍子の「義を先にして利を後にする者は栄える」という言葉から引用されたもので、企業の利益はお客や社会への義を貫き、信頼を得ることでもたらされるという意味がある。現在は「お客さま第一主義」「社会貢献」という意味で経営に生かされている。

 こうした社是が、経営の危機を救った。中学生の歴史教科書で習う天保8(1837)年の大塩平八郎の乱。飢饉(ききん)により全国各地で百姓一揆が起こる中、大坂でもコメ不足に陥り、大坂町奉行所の元与力、大塩平八郎らがコメ買い占めを図る豪商を襲う幕府への反乱だった。

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