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【西論】神鋼不正問題 解体的出直しの覚悟を見せよ

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【西論】
神鋼不正問題 解体的出直しの覚悟を見せよ

独自路線を進む神戸製鋼の東京本社。データ不正問題の出口は見えない中、次の動きが注目される=東京都品川区 独自路線を進む神戸製鋼の東京本社。データ不正問題の出口は見えない中、次の動きが注目される=東京都品川区

 一連の報道によると、長年の取引関係で顧客に対して生まれた一方的ななれ合いが、納期を前に「これぐらいの強度不足なら」となり、品質を改竄していたという。そこには納期厳守というプレッシャーとともに、安全性、耐久性など必要水準をはるかに上回る日本特有の「過剰品質」に対する安心感もあったのだろう。

 また神鋼では専門性を高めるため、工場間の異動が少なく、同じ部署で10年、20年と働き続けるという閉鎖的な環境に置かれていたことも改竄が繰り返し続けられていた原因といわれている。

 ◆トップの認識に甘さ

 ただ、不正の背景にバブル崩壊後の経済停滞と、人口減少の影響があったことも見落としてはならない。1980年代後半の円高不況以降、製造業は生き残るため省力化と自動化を進め、人員を絞り込むという効率化の追求に傾斜した。しかも、製造業の就業者数は約1千万人とピーク時(平成4年)から500万人以上減っており、この「失われた20年」で現場は疲弊し、製造力が弱体化していったことも、不正の遠因となっていたはずだ。

 とはいえ、大多数の製造業が厳しい環境下でも健全な経営を行ってきたことを考えると、神鋼問題は「現場の暴走」だけでは片付けられない。見過ごせないのは会社の危機において、経営トップが情報を正確に把握できておらず、認識に甘さが目立つことだ。

 川崎社長は会見で説明した内容を少なくとも2度にわたって撤回している。鉄鋼事業について「不正はない」と述べ、さらに最終製品を販売する機械事業でも「問題は見つかっていない」と話した直後に不正が判明。日本電産の永守重信会長兼社長は「トップが現場で何が起きているか知らないことが問題だ」と指摘する。

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