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【虎のソナタ】勝てば身をよじって喜び…少年のように虎を愛した鋭ちゃん、忘れない

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【虎のソナタ】
勝てば身をよじって喜び…少年のように虎を愛した鋭ちゃん、忘れない

猛虎フィーバーで音楽業界も活性化。5年ぶりに阪神が優勝した1985年の11月2日、大阪城ホールで阪神タイガース音頭を歌う中村鋭一氏。熱烈虎党の先駆けだった 猛虎フィーバーで音楽業界も活性化。5年ぶりに阪神が優勝した1985年の11月2日、大阪城ホールで阪神タイガース音頭を歌う中村鋭一氏。熱烈虎党の先駆けだった

 今では関西のタレントはほとんどが、ハシがこけてもすぐ♪六甲おろしに颯爽と…と歌い出すが、その昔はそんなに簡単にマイクの前で絶叫することはなかった。

 だが…中村鋭一さんがパーソナリティーとして早朝のABCラジオに登場してからはちょいと流れが変わった。うっかりタイガースがヘンな負け方をしようものなら…もう大変。それで朝から「嘆き節」を聴いた。

 しかし…どこか人情味があり、やがて参議院議員に当選。国会での質問中にうっかり「ただいま、阪神は…」と言ってしまって議長から注意されたぐらいだ。しかし、いつも温かかったなぁ。また1978年から、我がサンスポに『鋭ちゃんのトラコール』という楽しいコラムを執筆して人気を呼んだ。

 その中村鋭一さんの訃報。享年87。ここのところ殺風景でがさつな事件が続く。青酸カリ連続死事件の筧千佐子被告には「死刑判決」。座間では男女9人の遺体がみつかり、せっかく米国の大統領が来ているのに、まことに猟奇的な事件が続く。何、米国だってアリゾナの教会で義母とモメた? のが原因で26人を銃で乱射した若者…やりきれない。

 そんな殺伐とした中で大の大人が、ちょっとタイガースがいい勝ち方をしたら、中村鋭一さんはもうニコーッとして身をよじって喜ぶ姿をよく見かけた。少年のような純粋さ。スポーツの良さ、タイガースのすばらしさは、こういう“永遠の少年”を全国に何万人も繁殖? させているということなのだ。六甲おろしの「ろの字」でも言おうものなら、中村さんはギトーン! と眼を血走らせて「おっ、いま何と言った? ん…」と肉薄してくるんだから始末が悪い。だが、そういう“親父”が少なくなったのが寂しい。

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