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【萌える日本史講座】飛鳥美人が古墳に戻る日はいつ… 見えぬ「原状回復」 奈良・高松塚

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【萌える日本史講座】
飛鳥美人が古墳に戻る日はいつ… 見えぬ「原状回復」 奈良・高松塚

 「飛鳥美人しみだらけ」「目元に泣きぼくろ」…。十数年前、奈良県明日香村の高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)の石室に描かれた極彩色壁画がカビに侵されていたことが判明。海外では「アスカ・ビューティー」とも称された壁画の惨状に、文化庁の管理体制が批判を浴びた。壁画保存のため石室を解体したのが平成19(2007)年。あれから10年たち、壁画修復はほぼ終了した。同庁は当初「修復に10年程度かかり、その後に古墳に戻す」としたが、技術的に困難で「当分の間、古墳の外で保存する」と方針転換。当分とは「しばらくの間」の意味もあるが、「5、10年ではなく、もっと長いスパン」と説明。先の見えない長期戦に突入した。(小畑三秋)

 「当分の間」とは

 「当分の間は古墳の外の適切な場所で保存管理・公開を行う」。26年3月、壁画の取り扱いについて同庁はこう結論づけた。

 「当分」について「広辞苑」(岩波書店)は、「事があってから少しの間」「近い将来まで」などと記載。高松塚壁画の場合、実際に古墳に戻せるめどは立っておらず、「永遠」の可能性もある。似たような言葉に「当面」があるが、「大辞林」(三省堂)は「今のところ」「さしあたり」と定義している。

 「当分」について日本語学が専門の柏原卓(かしわばら・すぐる)奈良大教授は、大辞林に「将来のある時期までを漠然と表す」との記述も踏まえ、「いつまでと期間を限定していない分、『当面』より長い期間で、何十年後でも間違いとはいえない」と話す。

 ちなみに、同時代の極彩色の朱雀などが描かれたキトラ古墳(同村)壁画も、剥落(はくらく)の危険が高いとして16年から約4年がかりで石室内から剥ぎ取られた。壁画のキャンバスとなる漆喰(しっくい)は1~2メートル大で、厚さはわずか数ミリ。漆喰には無数の亀裂が入っていたため、破片を1143個に分けて剥ぎ取り、丹念に接合して修復した。ただし、こちらも石室に戻すめどは立たず、同庁は「『当面』は石室に戻さない」との方針だ。

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