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「娘の死、無駄にしないで」無痛分娩の死亡女性の父が会見 

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「娘の死、無駄にしないで」無痛分娩の死亡女性の父が会見 

無痛分娩事故で死亡した長村千恵さん(遺族提供) 無痛分娩事故で死亡した長村千恵さん(遺族提供)

 大阪府和泉市の産婦人科医院「老(おい)木(き)レディスクリニック」で1月、出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分(ぶん)娩(べん)」で出産した長(なが)村(むら)千恵さん=当時(31)=が死亡した事件で、クリニックの院長(59)が業務上過失致死容疑で書類送検されたことを受け、父親の安東雄志さん(68)が6日、大阪市内で会見した。麻酔ミスから呼吸困難となり、亡くなった千恵さんについての思いを語り、「娘の死を無駄にしないでほしい」と再発防止を訴えた。

 1月10日の出産当日、クリニックまで送る車内での会話が最後になった。腰痛を抱えていた千恵さんは、負担の少ない無痛分娩を選択。クリニックの評判がいいことを熱っぽく語っていた。「今考えると、本人も不安だったんだと思う」と安東さんは唇をかんだ。

 千恵さんの死後、自ら院長に聞き取りをするなど原因を追いかけ続けてきた。大阪府警の捜査では、呼吸不全の千恵さんに対し人工呼吸すら行われなかったことが判明。「なぜ蘇生措置ができなかったのか」と疑問は消えない。

 千恵さんは三女で「頑張り屋で、しっかりした娘だった」という。結婚して、3年前に第1子となる女児を出産。孫を連れて実家に顔を出してくれることが、安東さんにとって何よりの楽しみだった。

 帝王切開で生まれた千恵さんの次女は、元気に育っているという。「千恵が自分の命に代えて空気を子供に送ったのでは」と話し、「同じことが二度と起こらないよう娘の死を医療の発展につなげてほしい」と述べた。

 一方、会見に同席した安東さんの代理人弁護士は、クリニック側への損害賠償請求訴訟を検討することを明らかにした。

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