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【銀幕裏の声】呉軍港空襲の生還者(下) 終わらなかった戦争、戦地の兵士を日本へ届けよ! 「この世界の片隅に」で描かれた地獄絵図とは

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【銀幕裏の声】
呉軍港空襲の生還者(下) 終わらなかった戦争、戦地の兵士を日本へ届けよ! 「この世界の片隅に」で描かれた地獄絵図とは

“島”のように擬装された空母「鳳翔」(右上)。山本さんは通信兵として乗艦していた “島”のように擬装された空母「鳳翔」(右上)。山本さんは通信兵として乗艦していた

 呉軍港で見た空襲を語る際、山本さんは一枚の水彩画を広げて見せてくれた。

 空を覆った無数の米軍機の機影。海に浮かぶ数十隻の日本の軍艦が空爆で火を噴き、その上空一面を煙が覆う…。

 それは、山本さんが「この日見た空襲を忘れないために。後生へ語り伝えるために…」と自ら描いた水彩画だった。

焼かれた軍艦旗

 8月15日、終戦。

 玉音放送を聞いた鳳翔の乗員たちの姿を見て山本さんは絶句した。

 「涙に暮れる者、惚けたように艦内をただふらつきながら歩く者…。それは生きる気力を失った者たちの姿でした」

 終戦から5日後の20日。艦長による「総員飛行看板へ集合せよ」という艦内放送を聞き、約800人の鳳翔の乗員が甲板に整列した。

 午後5時。掲揚されていた軍艦旗がラッパの音とともに降ろされた。白い手袋をはめた艦長がその旗を手に取り火をつけた。軍艦旗が焼かれる光景を乗員全員が敬礼をして見守ったという。

 「艦長が旗に火をつけた瞬間。私の周囲から一斉に押し殺したようなうめき声があがり、その声は次第に号泣に変わっていきました…。私はこの声を一生忘れることはないでしょう」

終わらなかった“戦争” 

 8月15日、日本は終戦の日を迎えるが、山本さんにとっての“戦争”は実はまだ終わってはいなかった。

大半の主力艦を失った海軍…空母「鳳翔」に新たな任務が

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