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事実上の「失職宣告」…彫師有罪の大阪地裁判決で関係者に動揺広がる 「規制のあり方議論を」

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事実上の「失職宣告」…彫師有罪の大阪地裁判決で関係者に動揺広がる 「規制のあり方議論を」

 医師免許なしでのタトゥー施術が犯罪かどうかが争われた医師法違反事件で、27日の大阪地裁判決は「有罪」と結論付けた。

自分の人生を取り戻すために…

 「非常に残念で納得がいかない。彫師という仕事、自分の人生を取り戻すためこれからも戦う」

 増田太輝被告は判決後の会見でこう語った。高校生のときに入れ墨と出会い、寝る間を惜しんで絵の勉強をした。自分の体を練習台にして、足にはもう彫る隙間がないという。有罪判決にも「ここで止まりたくない」と即日控訴した。

 彫師仲間にも動揺が広がった。被告の裁判を傍聴していた彫師の男性は「明日からの仕事をどうすればいいのか」と弁護団に質問したが、だれも明確に答えられなかった。

 そもそも彫師に医師免許まで求めることは規制として行き過ぎだ、というのが弁護側の問題提起だった。全国に3千人とも言われる彫師の中で、医師の資格をあわせ持つ人はほとんどいない。彫師にとっては失職宣告に近いような厳しい判決となった。

「入れ墨=やくざ」のイメージ

 入れ墨の歴史に詳しく、公判に弁護側証人として出廷した都留文科大の山本芳美教授によると、日本では江戸時代に浮世絵をもとにした入れ墨が流行。明治期には「野蛮な行為」として禁止されたが、戦後に取り締まりの明文規定はなくなった。

 ただ1960年代以降に流行した任侠(にんきょう)映画の影響により、「『イレズミ=やくざ』とのイメージが定着した」と、山本教授は著書「イレズミと日本人」(平凡社新書)で指摘。社会的に否定的な印象でとらえられることにつながった。

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